長壁(おさかべ)

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長壁(おさかべ)


長壁姫、小刑部姫、刑部姫(おさかべひめ)とは、姫路城に隠れ住むといわれる日本の妖怪。

姫路城の天守に隠れ住んでおり、年に一度だけ城主と会い、城の運命を告げていたと言う。松浦静山の随筆『甲子夜話』によれば、長壁姫がこのように隠れ住んでいるのは人間を嫌っているためとあり、江戸時代の怪談集『諸国百物語』によれば、住処に人が立ち入ると、1丈(約3メートル)もの身長に巨大化して追い払ったという。

鳥山石燕の『今昔画図続百鬼』では「長壁(おさかべ)」とされ、コウモリを従えた老姫の姿で描かれている。一方で江戸時代の奇談集『老媼茶話』では十二単を着た気高い女性とされ、小姓の森田図書が肝試しで天守閣に駆け登ったところで長壁姫と出会い、「何をしに来た」と訊ねられて「肝試しです」と答えると、その度胸と率直さに感心した長壁姫は肝試しの証拠品として錣(しころ:兜につけて首元を守る防具)をくれたという。

時代が合わないため全くの伝説とされるが、宮本武蔵は若いころ、足軽の「滝本又三郎」として木下家定時代の姫路城に奉公していたという。ある夜、天守に住む妖怪退治を命じられた武蔵は灯りを手に上り、妖怪を追い払った。天守最上階では刑部明神が姫の姿で現れ、武蔵に妖怪退治の礼として銘刀・郷義弘を授けたという。これは前述の『老媼茶話』をもとにした話ともいわれる。

井原西鶴による『西鶴諸国ばなし』では、長壁姫は800匹の眷属を操り、自在に人の心を読みすかし、人の心をもてあそんだと、妖怪として人間離れした記述が為されている。

北尾政美による黄表紙『夭怪着到牒』にも「刑部姫」の表記で登場しており、同書では刑部姫の顔を見た者は即座に命を失うとある。

長壁姫の正体は一般には老いたキツネとされるが、井上内親王が義理の息子である他部親王との間に産んだ不義の子、伏見天皇が寵愛した女房の霊、姫路城のある姫山の神などの説もある。また民俗学研究所による『綜合日本民俗語彙』では、姫路から備前にかけての地域ではヘビがサカフと呼ばれることから、長壁姫を蛇神とする説が唱えられている。前述の『老媼茶話』では猪苗代城の妖姫・亀姫の姉とされ、泉鏡花の小説『天守物語』でもその設定で書かれている。

また実際には、姫路城の本丸にある刑部明神が多くの誤伝を生み、稲荷神と習合するなどして、天守閣に住むキツネの妖怪という伝承が生まれたとする説もある。(wikipediaより)


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