不知火(しらぬい)

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不知火(しらぬい)


不知火(しらぬい)は、九州に伝わる怪火の一種。旧暦7月の晦日の風の弱い新月の夜などに、八代海や有明海に現れるという。なお、現在も見え、大気光学現象の一つとされている。

海岸から数キロメートルの沖に、始めは一つか二つ、「親火(おやび)」と呼ばれる者が出現する。それが左右に分かれて数を増やしていき、最終的には数百から数千もの火が横並びに並ぶ。その距離は4〜8キロメートルにも及ぶという。また引潮が最大となる午前3時から前後2時間ほどが最も不知火の見える時間帯とされる。

水面近くからは見えず、海面から10メートルほどの高さの場所から確認できるといわれる。また不知火に決して近づくことはできず、近づくと火が遠ざかって行く。この火はかつては龍神の灯火といわれ、付近の漁村ではこの不知火の見える日に漁に出ることを禁じていたという。

『日本書紀』『肥前国風土記』『肥後国風土記』などによれば、景行天皇が九州南部の先住民を征伐するために熊本を訪れた所、この不知火を目印にして船を進めたとされている。

正体

大正時代に入ると、江戸時代以前まで妖怪といわれていた不知火を科学的に解明しようという動きが始まり、不知火が蜃気楼の一種であることが解明された。さらに、昭和時代に唱えられた説によれば、不知火の時期には一年の内で海水の温度が最も上昇すること、干潮で水位が6メートルも下降して干潟が出来ること、急激な放射冷却、八代海や有明海の地形といった条件が重なり、これにより干潟の魚を獲りに出港した船の灯りが屈折し、不知火が生じるとされた。この説は現代でも有力視されている。宮西道可(みちか)は熊本高等工業から広島高工の教授であり、専門的な研究をした。彼によると、不知火の光源は漁火であり、旧暦八朔の未明に広大なる干潟が現れ、冷風と干潟の温風が渦巻きを作り、異常屈折現象を起こし、そのため漁火は燃える火のようになり、それが明滅離合して漁火が目の錯覚も手伝い、怪火に見えるという。 また山下太利は、「不知火は気温の異なる大小の空気塊の複雑な分布の中を通り抜けてくる光が、屈折を繰り返し生ずる光学的現象である。そして、その光源は民家等の灯りや漁火などである。条件が揃えば、他の場所・他の日でも同様な現象が起こる。逃げ水、蜃気楼、かげろうも同種の現象である」と述べている。また、丸目信行は文献集『不知火』に、『不知火町永尾剣神社境内から阿村方面へ時間経過による不知火の変化』と題し、多数の写真を載せている。 現在では干潟が埋め立てられたうえ、電灯の灯りで夜の闇が照らされるようになり、さらに海水が汚染されたことで、不知火を見ることは難しくなっている。(wikipediaより)


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